カルペップのトルティージャ


IMG_2249 IMG_2255  バルセロナで食べたカルペップ(Cal Pep)というバルのトルティージャは、人生ベスト5に入る料理でした。

 トルティージャとはスペイン風のオムレツのことです。私の想像していたスペイン風オムレツは、ほうれん草やベーコンや玉ねぎなどが入っていてシッカリ焼いてあり、冷めても美味しい、が、若干カスカスしている。というものでした。ここのトルティージャは全く違うものです。中はトロトロで柔らかい、卵とじゃがいもが境目をなくしてペースト状になっています。そして上からアリオリというマヨネーズにニンニクが入ったソースが塗られています。とにかくこれ味が旨いんです。若干の燻製の香りがあるので、腸詰めのサラミかベーコンが入っているかもしれません。卵とじゃがいもがやわやわとして頼り無いところを、このマヨネーズとニンニクのコクが、うまく丸め込んでモノにしているという感じです。

 トルティージャはカルペップの名物料理ということで、迷いなく取ったのですが、あまりの旨さにのけぞり、正気を失ったまま一瞬で平らげてしまいました。美味しいものはたくさん食べてはいけない、というルールがありますが、ここで我慢したら、次にこれが食えるのいつなのかと冷静に判断して、2皿目をおかわりしました。

 オープンカウンターになっているので、2度めのオーダーをしてからはトルティージャが出来る過程を冷静に、じっと観察していました。大きなボールに作られている「タネ」をホイッパーでよく混ぜてから、小さい鉄のフライパンに流し込み多めの油で揚げるように焼いて、早めに火からおろして皿にあげ、2センチくらい深さのある紙皿をその上に載せて、2分ほど蒸らしている様子でした。2度めのトルティージャは幾分落ち着いて、味などを確認して食べました。私が食べながら作り方や味を説明している様子はビデオにも収めておきました。

 これを目指して何度か作っているのですが、なかなかうまく行きません。でもアリオリをかけると、なんとなくバルセロナで食べた味が蘇ります。写真のようにカルペップ風じゃない、いわゆるスペイン風オムレツにもアリオリをかけると美味しいです。ぜひ試してみてください。日本のマヨネーズだと酸味が強いので、手作りをなさるか、酸味が少ないマヨネーズを選んですりおろしニンニクを混ぜてみてください。