ルヴァンの綺麗なパン


IMG_2078  代々木上原のルヴァンのパンが美味しいことは聞いていましたが、ルヴァンのパンを手にするまで、パンが美しいことを知りませんでした。

 このパンをまな板に置いて切ろうとした時、あまりに綺麗だったのでためらい、よく見ました。白や焦げた茶や粉の色が点描みたいです。切り込みのおうとつがそのまま焼き跡になって立体的な縄の柄になっています。バゲッドの縄柄なんてありふれているはずなのですが、そんな当たり前のことに気づいて感心してしまいました。ルヴァンのパンにはそういうオーラがありました。よく知っている当たり前の事象が、ふと特別に見える時があります。そういうのって何が他と違うんでしょう。オーラとしか説明のしようが無いです。このルヴァンのパンを絵に描いている人がいるんです。存在感に特別さがあるので、絵に描かれることもそう不思議ではないです。彦坂木版工房「ルヴァン展」です。ちょうど今、東京でやっています。

 私の好きなパン屋さんは、あざみ野の徳多朗と渋谷のヴィロンです。バゲッドだけで比較すると、私はヴィロンが好きです。圧倒的な旨さだと思います。バルサミコをオリーブオイルで伸ばしたもの(決して溶解しないのですが・・・)に焼いたバゲッドをつけて食べます。それだけで大満足の旨さです。ヴィロンで働いていた後輩によると、ヴィロンは粉から水に至るまで全てフランス産で統一しているそうです。倉庫に山のようにコントレックスが積み上げてあるそうですよ。徳多朗は国産です。いつかパリで焼きたてのバゲッドを丸かじりしてみたいです。いわゆる文字通り「バゲッドの丸かじり」です。(わかりますか。東海林さだおさんのオマージュです。)