万年筆のサインペン


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 サインペンで物を書くことが好きな人というのがいます。特にアイデアを出すことを仕事にしている人に多いような気がします。しかもその場合大抵が青インキです。
私はあまりサインペンを使いません。なんとなく消耗が早い感じと、それに伴う不経済な感じがなんとなくあったからかもしれません。逆にいうと、コンバーターカートリッジの万年筆を使うのが好きです。カキモリというメーカーのローラボールのコンバーター式の万年筆が欲しいと思っているのですが、在庫薄な上、どこにでも売っているわけではなさそうで、かといって積極的努力もしないまま、ぼーっとしていました。

 そんな中、先日、ヨドバシカメラの文具売り場をうろうろしていたら、プラチナムから出いているプレピーという300円ほどの万年筆が目に入ってきた。なんとペン先がサインペンのシリーズがあるのだ。珍しいもの好きの私はすぐに飛びついた。プラチナムは独自の「スリップシール機構」によってペン先が乾きづらくなっているらしい。だからサインペンも展開できるのか? コスパは良いのだが、安さゆえ胴がエコロジカルなデザインになっている。これでは使えないので(見た目の問題で)、ハテどうしようと思っていたら下の方に、同じプラチナムの、更に一つ上位の下位モデル(プレピーからしたら上位だが、普通の万年筆としては下位モデルという意味)「プレジール」が並んでいた。1000円程度で買える。その中の「#98 ガンメタル」というのが一瞬で気に入った。プレジールにはサインペンのペン軸のシリーズは無い。オマケにデフォルトは使い捨てカートリッジだ(使い捨てカートリッジっていうのも何故かあまり好きになれない)。となれば…プレピーのサインペンの軸を、プレジールの軸に付け替えたらいいと思いついた。同じプラチナムの万年筆なら、ペン先のスクリューもはまるはずだし、コンバーターの別売りだってきっとある、と思い店員さんに確認すると、私が考えていることは全て実現可能であるということだった。サインペンの替芯もあると。更には「今度メーカーの人が来たら、こんな面白い使い方をしているお客様がいると報告します!」という励ましの言葉までもらったのだ。「ええ。私はお金はありませんが、アイデアだけはあるんですよ」と、調子に乗ってうまいことを言ってみせた。

 私はかなり満足して、プレピーのサインペン万年筆と、#98 ガンメタルのプレジールと、プラチナム共通コンバーターと、用心のための替芯を、しめて2000円足らずで購入し、絵に描いたようなほくほく顔で帰路についたのです。そして早速、ご愛用のセイラーのブルーブラックを充填して万年サインペンを使い始めています。



追伸:プレピーのエコロジカルなペン軸の印字はポリッシュリムーバーにて消すことが出来ます。リムーバーを使った後はネイルオイルを塗布してなじませるとツヤが戻ります。プラチナムの人には申し訳ないですが、印字を消せば幾分気分はマシになります。プレジールについていた万年筆のペン軸を空いたプレピーにはめて使っています。