BINGOYA


IMG_1224  若松河田の備後屋へ先日はじめて行ってきました。民藝品は作家さんのものと違って、気軽さがあって好きです。もちろん作家さんのつくった唯一無二の作品も大事ですが、民藝品は生活の隙間をいい感じで埋めてくれます。価格の安さもあります。備後屋は、シンプルで影があって渋みのあるようなものがセンス並べられているので若い人向けだと思います。特に感動したのが包み紙です。フォントとカラーもバッチリです。

 去年の夏に、妹と思い立って善光寺に行ったとき、道中の戸隠のあたりで偶然見つけた黒姫物産センターもおかしな民藝屋さんでした。とにかく大きくて古い昭和の建物で、大量の民藝品が置いてあります。地下では、蕎麦を食べさせる食堂があります。食券を買っておばちゃんに渡すと、アルマイトのお盆に載せたかけそばをくれます。安くて味も悪くなかったです。奥のほうでは怪しい骨董屋さんに場所を貸しているのか、これまた怪しい古道具が所狭しと並んでいます。「鮭を取った木彫りの熊が3つ並んでいる」といった類の古道具です。こういうところは「バイヤーによるセレクト」が入っていないので、選ぶ方のセンスが問われ、楽しいです。こういうとき特有の高揚感があります。この種の興奮をぐっとこらえていると、視野と動体視力が通常の3倍モードへなってゆきます。「バイヤーによるセレクト」に気づいてしまうとこういう高揚感を得られないです。

 しかしながら、老舗というものはセレクトとかそいういうのを凌ぎますね。盛岡の「光原社」は圧倒的でした。日本の民藝品を売っているのに、ヨーロッパにいるようでした。この時ばかりは興奮しすぎて、視野がとても狭くなって暴走しました。「光原社」は宮沢賢治が『注文の多い料理店』を発刊したことでも有名です。盛岡はとても面白い街でした。フクダパンや生食普及会など普通じゃない店がたくさんあります。必ず再訪しようと思います。

 備後屋の話から盛岡の話になってしましました。ところで先日骨董通りの「もりた」へ行ってハギレを買い求めた話は、別途いたします。