温度管理のできる電子ケトル


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 長らく使っていた電子ケトルがくたばりました。底から水漏れをして気づくとびしょびしょになってしまうので危険でした。オール電化の住宅に住んでいますのでお湯は電子ケトルで沸かしています。本当ならば趣味のよいケトルでゆっくりガスでお湯を作りたいのですが。
 叔父のYさんはコーヒーを淹れるのがとても上手なので、いつも淹れ方を観察しています。コーヒーが飲めない叔母も、Yさんの淹れるコーヒーなら飲めるというのだからおどろきます。確かにYさんの淹れたコーヒーは、甘く、クリームのようなまろみがあります。当然、綺麗な珈琲色の液体が入ったカップを覗き込んでもクリームは入っていません。
 Yさんの淹れ方はこうです。ケトルにたっぷり水を汲んで火にかける。沸かしている間に、深入りの豆を手で挽いておきます。くるくるとハンドルを回している時間は無限に感じるほど長いです。豆を挽きながら酔っ払ったYさんが色々と講釈をしてくれます。お湯が沸いたら、紙フィルターをセットしたドリッパーにお湯を通してサーバーを温める。そしてここが最大のポイント。ケトルの蓋を取って沸騰したお湯を15分放置して温度を落ち着かせるのです。15分間ぼーっとします。うっかりコーヒーを淹れていることすら忘れてしまう15分間です。そうしてやっとセットしていた挽きたての豆に優しい温度をになったお湯を注ぐのです。Yさんの注ぎ方は割に無造作です。コーヒーを淹れる時はいつもかなり酔っ払っているからかもしれません。でもそうしてはいったコーヒーが本当に美味しい。叔父は「コーヒーの気持ちになることが大事」っていうけど、自分で淹れるのはなかなか難しく、あの美味しさが出るのは何回かに一度です。けれど「温度」を守るとかなり美味しくはいることがわかってきました。
 使っていた電子ケトルが故障して次のものを探していた時に、温度調整ができる商品があると分かって、その中で探してみました。コーヒーがドリップしやすそうな注ぎ口のボナビータ(Bonavita)など候補がありましたが、聞いたことのないメーカーだったのでクイジナート(Cuisinart)にしました。amazonで購入しました。本来はお茶を美味しく淹れるための温度調整機能であるようです。160°Delicate / 175°Green / 185°White / 190°Ooling / 200°French Press / Boil Black とお茶の種類で温度が変わってきます。華氏の表示なので一瞬頭が捻じれますが、じきに慣れました。一番驚いたのが、この茫漠とした微妙な注ぎ口。こんな面構えではドリップはできそうにないと諦めていましたが、驚いたことに非常に細いお湯が注げます。1滴、2滴といった調整も出来そうな繊細さです。1.7リットルも沸かせる大容量なのでかなり重いのですが、素早く湧きますし、沸いてから放置していると数分は温度を保ってくれるのも、嬉しいポイントです。沸かしたのにすぐに取りかかれない時って結構ありますから。