瓜の食べ方


IMG_5571  瓜であれば大抵好きです。身体がスイカを求める季節になりました。内なる熱と乾きに求められるままに、スイカを買わされて、食わされています。

 私はスイカの種を全て取り除いてから食べる子どもでした。ほじくり出してぐちゃぐちゃになってしまってから食べるのです。死んだ母の母もそうだったと母に聞きました。種なんて御構い無しにかぶりつく、近所に住む「パーマ屋のおばちゃん」を信じられない思いと多少の侮蔑を持って見ていた、その感覚だけを覚えています。しかし本当は小さいことを気にせずにかぶりつくような人にも憧れてやってみるのですが、やはり心の底からは楽しめないのです。今でも、見えるとこだけは取り除き、慎重に噛み、口の中で種を探しながら食べます。右手を軽く握っておいて、親指と人差し指の間にできる穴に吐き出しながら食べます。この作法は母に習いました。ちなみに夫は「種なんて飲む」というのです、聞いただけで目が白黒してしましました。

 そういえば、新潟の実家では、夏にスイカを食べたら皮を錦鯉の池に放り込んでいました。いつの間にか跡形もなくなっていましたから鯉が食べるのだと思います。よく知りませんが鯉には瓜の皮を与えるものなのでしょうか。鯉にとっても火照った身体をさます夏のオヤツなんでしょう。

 メロンにも目がありません。八百屋で網目の美しさに目を奪われました。口にふくんで、柔らかい網のような繊維から絞りだす甘い汁に喉が染みるのを想像し、しばしそこに立ち尽くしてぼうっとしてしまいました。奮発して買ってみたのに美味しくなかったので牛乳と蜂蜜を入れてジュースにしました。蜂蜜の味が買って「蜂蜜セーキ」になってしまいました。こういう時はアカシアの蜂蜜にしなくてはいけません。今回は菩提樹の蜂蜜でした。