タランティーノ作品の中のクリストフ・ヴァルツ


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ポランスキーの「おとなのけんか」で大好きになったクリストフ・ヴァルツが出てるってことで、観ず嫌いをしてたクエンティン・タランティーノ作品の「イングロリアスバスターズ」ですっかりタランティーノの作風に惚れたわたしは、その次の作品にて、またもやクリストフ・ヴァルツが助演をつとめる「ジャンゴ」を鑑賞。(前置きが長い長い)


かなり血を見せる残虐なシーンが多いが、面白かった。奴隷の行進を真上から撮って、南部の地名を大きく入れるなど…シビれる!!こういう作為的な作り方って苦手なはずなのに、抗えない!!ヒャハ!!
またラストシーンでダイナマイトで爆発しているデカプリオの館の前で、再会した妻と馬に乗る、言葉に出来ないシーン。真横から近めでのカメラワークと尺など、絶妙なバランスで素晴らしいシーンだった。
イングロリアスバスターズでは最初のフランスの田舎の酪農やってる家のシーンすごく綺麗だった。正方形の窓から見せる果てしない草原、タランティーノの平面構成力の強度!!


ジャンゴ後半で、南部有数の奴隷を有す大農場の主の役でデカプリオが登場する。趣味の悪いブヨンとした白人の金持ちくず野郎の役が本当に板に付いてる。最初は、デカプリオは本当にこういう役が似合うよなーくらいで見てたけど、観てゆくうちに、演技に説得力が増してきて惹きつけられ、好意的にみていた。


しかし、クリストフ・ヴァルツほんとにいいな。クリストフ・ヴァルツの存在感はもはやわたしの中で揺るぎないものとなった。紳士的な表情の中に時折あらわれる無邪気な残酷さと、例のニッコリ顔。アクセントや仕草の中に見える異国人感。特にeとiの発音で見せる「イー」の口元が悪戯っぽくていい。ブラッド・ピットは大好きだけど、クリストフ・ヴァルツの前では若干弱いな。かれの眼差しや仕草は側にいる女性を美しく見せてくれる。「側にいる女性を美しく見せてくれる。」クリシェのような言葉をサラッと書いてしまったけど、本当にそうなんだよね。おとなのけんか、ではケイト・ウィンスレット。かれの女性への眼差しは、いかにもその女性にぞっこんっていうような感じがして、その女性をこちらまでそういう目で見てしまう、そんな感じ。


写真はイングロリアスバスターズで、クリストフ・ヴァルツ演じるランダがなす「食べ物を大事にしないシーン」(宇多丸の映画批評より引用)。