バスルームの研究<3>

November 10th, 2017

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 現在、訳あって大阪にマンションを借りて暮らしています。
 賃貸だと自分の都合良く変えることが出来ない、と思いがちなのですが変えられるところは色々とあります。例えばシャワーヘッド。

 この賃貸マンションのバスルームはちょっと普通と違っているのです。いわゆる欧米風の作りで脱衣と洗面とバスタブが同じ空間にあります。無作為にシャワーを浴びるとそこらじゅうビショビショになってしまいます。浴び方にもよりますが、シャワーヘッドもいけないんです。造りは欧米風のくせに、シャワーヘッドは日本製。やたら「水圧が強い」シャワーヘッドです。なのでシャワーヘッドだけ交換しました。グローエのものがロイヤルホームセンターで4000円ほどで売っていましたので。

 わたしはそもそも強い水圧が肌を叩くのが苦手です。元のマンションもお風呂をリフォームして、空気をたっぷりふくんで雨のように弱い水圧が出せるハンスグローエのシャワーヘッドをつけていました。頭の上から温かくて大きくて柔らかい水の塊をぼとぼと受けると、性的快感に近い心地よさがあります。バスタブはカルデバイの琺瑯にしていました。濡れた裸が触れるつるつるとした温かい琺瑯の感触がとても好きでした。

 また、ガラスブロック張りの素敵なバスルームを持っている知人は「自動湯はり機能があったとしてもバスタブに水栓は必須」と言います。「バスタブの中で脚を伸ばして、つま先に水栓から出る水を受けるときの快感」があるのだそうです。

 話が「水の快楽」に逸れてしまいました。

 話を元に戻すと、このようなタイプのバスルームは水圧の低いシャワーヘッドをつけるべきなのです。リフォーム時に勉強のために読んだ海外のバスルームの本を改めて見ていたら、まさにそのような記載がありました。「バスルームを水浸しにしないためには空気を含んだ水がでるシャワーヘッドを選ぶべきです」と。欧米では構造の都合上、そのようなシャワーヘッドが多いのかもしれません。逆に日本のお風呂はいくらでもビショビショにできます。それもあってか「水圧信仰」も盛んです。強ければ強いほど良いというような人は、大抵海外のホテルに文句をいいます。「水圧が弱い」と。私は弱い水圧が、ロマンチックで好きです。