CEZANNNE

February 2nd, 2017

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 96年の芸術新潮のセザンヌ特集を先日代官山蔦屋のラウンジで読んで、腰が抜けるほど面白かったのですぐ入手した。今日帰宅すると届いてたので、ねこに餌をやって自分は食事もせずに、適当にどぼどぼとと、ベリーベリーウェットなマティーニを作って、今日買ってきた梅栄堂の開運香ってのを焚いて読んでたら、異常なまでの多幸感に満たされた。元来些細なことで多幸感を得やすい簡単な人間である私だが、ちょっと説明がつかないほど愉しい。それは雑誌の記事のせいなのかヴェルモットの香りなのか、この煙い好文木の幻想かわからないけど、これは学生時代アムステルダムのコーヒーショップで感じた多幸感に匹敵する勢いがある。ちなみに私を幸せにさせた芸術新潮の一節はこんなものなのである。

 ールドンが持っていたこのちょっとくすませたような不透明(オパック)なかんじでかいている《すわる男》、背景の色、実におしゃれでしょ。
 ージョンヌ・ブリアンにライト・レッドを入れた色ね。フランスのエスプリの色。それから、モディリアニに通じてゆく人体ですよね。また、空間もすごい。うしろのカーテンだって引力によってたれてない、完全に構成的。そして右上すみの三角形。何をあらわしているかよくわかんないけど、左の机の斜線に対して、つり合いをとってる。ほとんど構成的。
 (中略)色彩が調和するにしたがってデッサンも明確になるーそうセザンヌは語っている。色が充実すればするほど、形体はヴォリュームをそなえてくっきり浮かび上がってくるというのだ。

 こういうものだ。