暮らしの趣味」カテゴリーアーカイブ

むげん堂の蚊遣り

August 3rd, 2016

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 去年の夏に見つけたこの蚊遣り。アジアの言葉が印刷された缶を素材にして作られています。色々な柄のものがあったので幾つか購入しました。蚊取り線香の香りが好きで夏はよく焚いています。今住んでいる家には中庭があり、夏は椅子を出して飲み物を飲んだりランチをしたりしています。ねこたちも出入りしますので、その際は網戸もあけはなしてしまいます。そもそも網戸をしてしまうより全部開け放してしまう方が好きです。その方が清々しい気がして。
 むげん堂で買い物をするとくれる手製の新聞を読んだことがありますか?社員が書いているらしく、アジアに関する記事がワープロにて作成されています。(なぜワープロで書かれていることを知っているかというと…以前誌面で「このワープロを譲ってくれる方はいませんか」と古いワープロの機種名が書かれていたのです。そのワープロで作るのが一番勝手がいいというのです。)そんな調子の社風なようです。記事もどうもお節介というか押し付けがましい内容です。例えばむげん堂オリジナルのガラムマサラがあって好評なようなのですが「配合は秘密」という調子。こういうクセのある風を浴びるたびに「100人のコアなファンを掴むためには、900人にとことん嫌われるほどの個性が必要なのだ」と考えさせられるのです。
 そんなむげん堂なので、前を通ると立ち寄らずにはいられません。文句を言いながらもついつい覗いてしまい、マイペース過ぎる店員さんに「新聞も入れておいてください」と要求してしまいます。私は例の100人には入っていないと思うのですが。


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温度管理のできる電子ケトル

August 3rd, 2016

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 長らく使っていた電子ケトルがくたばりました。底から水漏れをして気づくとびしょびしょになってしまうので危険でした。オール電化の住宅に住んでいますのでお湯は電子ケトルで沸かしています。本当ならば趣味のよいケトルでゆっくりガスでお湯を作りたいのですが。
 叔父のYさんはコーヒーを淹れるのがとても上手なので、いつも淹れ方を観察しています。コーヒーが飲めない叔母も、Yさんの淹れるコーヒーなら飲めるというのだからおどろきます。確かにYさんの淹れたコーヒーは、甘く、クリームのようなまろみがあります。当然、綺麗な珈琲色の液体が入ったカップを覗き込んでもクリームは入っていません。
 Yさんの淹れ方はこうです。ケトルにたっぷり水を汲んで火にかける。沸かしている間に、深入りの豆を手で挽いておきます。くるくるとハンドルを回している時間は無限に感じるほど長いです。豆を挽きながら酔っ払ったYさんが色々と講釈をしてくれます。お湯が沸いたら、紙フィルターをセットしたドリッパーにお湯を通してサーバーを温める。そしてここが最大のポイント。ケトルの蓋を取って沸騰したお湯を15分放置して温度を落ち着かせるのです。15分間ぼーっとします。うっかりコーヒーを淹れていることすら忘れてしまう15分間です。そうしてやっとセットしていた挽きたての豆に優しい温度をになったお湯を注ぐのです。Yさんの注ぎ方は割に無造作です。コーヒーを淹れる時はいつもかなり酔っ払っているからかもしれません。でもそうしてはいったコーヒーが本当に美味しい。叔父は「コーヒーの気持ちになることが大事」っていうけど、自分で淹れるのはなかなか難しく、あの美味しさが出るのは何回かに一度です。けれど「温度」を守るとかなり美味しくはいることがわかってきました。
 使っていた電子ケトルが故障して次のものを探していた時に、温度調整ができる商品があると分かって、その中で探してみました。コーヒーがドリップしやすそうな注ぎ口のボナビータ(Bonavita)など候補がありましたが、聞いたことのないメーカーだったのでクイジナート(Cuisinart)にしました。amazonで購入しました。本来はお茶を美味しく淹れるための温度調整機能であるようです。160°Delicate / 175°Green / 185°White / 190°Ooling / 200°French Press / Boil Black とお茶の種類で温度が変わってきます。華氏の表示なので一瞬頭が捻じれますが、じきに慣れました。一番驚いたのが、この茫漠とした微妙な注ぎ口。こんな面構えではドリップはできそうにないと諦めていましたが、驚いたことに非常に細いお湯が注げます。1滴、2滴といった調整も出来そうな繊細さです。1.7リットルも沸かせる大容量なのでかなり重いのですが、素早く湧きますし、沸いてから放置していると数分は温度を保ってくれるのも、嬉しいポイントです。沸かしたのにすぐに取りかかれない時って結構ありますから。


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スネイクブランドのプリックリーヒート

August 3rd, 2016

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 以前バンコク旅行をした時に、薬局を覗いて気になって買ったスネイクブランドのプリックリーヒート。汗を吸着するパウダーです。ベビーパウダーの要領で首や胸や脇に真っ白い粉を塗りたくります。
 海外を訪れた時には必ず薬局を覗いてその国の「定番アイテム」を買ってみます。日本だと…「牛乳石鹸」とかそんな感覚の商品。じーっと棚を見てるとわかるんです。「あ、これだ」っていうのが。タイは暑いのでデオドラント商品が色々ありました。レセナとかニベアとかのスピードスティックは他の国でもみかけます。こういう外資系商品に引けを取らずに大々的にSALEをして幅を利かせていたのがプリックリーヒートでした。何種類か香りがあるらしかったのですが「CLASSIC」をセレクトしました。そう、ClassicとかOriginalというラインナップを持つ商品はその国のナショナルブランドの「定番アイテム」である可能性がかなり高いです。
 プリックリーヒートのCLASSICはハッカでした。お風呂上がりの火照った身体にパフにたっぷりとったパウダーを擦り付けますと、数分経ってメントールが気持ちよく効いてきます。特に脇の下にたっぷり擦り込みますと、すべすべしてスースーして心地よい。
 南国の人々が汗が滴るのを抑えて快適に過ごすために使うアイテム。その国を象徴するアイテムに出会えた気がして、使うたびに何だか愉快です。


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ムジカのアールグレイ

June 26th, 2016

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 この季節になると、ムジカのアールグレイのアイスティーが飲みたくなります。神戸にあるムジカという紅茶屋さんのブレンドのアールグレイです。かなり強くカルダモンが香り、個性的なブーケのような花の香りです。もともとは元町栄町にあったRAI CAFEというカフェで飲んだのが好きになったきっかけでした。

 

 当時、遠距離恋愛をしていた私はしょっちゅう神戸に行っていました。彼は昼間働いていましたので、ひとりでガード下の中華料理屋さんでお昼を食べて、元町の雑貨屋さんを回りました。
 神戸は東京のどの街とも全然違いました。横浜ですら神戸には敵わない。今でもそう思います。秋の日、トアロードデリカッセンから出てきた、トレンチコートの前をきつくしめたブロンドのショートカットの女性の青い瞳を見た時、私はその情景に釘付けになり、置いてけぼりにされたような気がしました。神戸は言葉で言い尽くせない何かがあります。ただの憧れかもしれませんが。

 

 RAI CAFEは元町の栄町ビルヂングの中に入っていました。はたちそこそこだった私は、焼きたてのスコンとクロテッドクリームもここで知ったのです。もちろん帰り道にikariで中沢のクロテッドクリームを買って帰ったものです。オーナーのMさんは面白い人で、G.グールドやゴダールの軽蔑や、公開したての映画エトワールの世界が好きだ、というような感じでした。Mさんと話すのが楽しくて神戸に行くたびに「行きつけ」のようにしていましたが、ある時から突然私は神戸に行かななくなりました。それ以来一度も神戸を訪れていません。最後にRAI CAFEを訪れた時に、さよならを言うことはもちろん出来ませんでした。

 

 去年の初夏、ふとムジカのアールグレイが飲みたくなりました。濃いめに入れた紅茶を、氷をたっぷり入れたグラスに注いだ時、「ガラン」と綺麗な音がしました。その音で何故か何年か振りにMさんを思い出しました。Mさんに薦められて行った「アンセム」というカフェの名前や、帰り道に立ち寄った三宮のアーケードの暗さと匂い。10年近く前の事です。

 

 カード入れから、当時Mさんから来たハガキを見つけ出して、久しぶりに読みました。思い立ってブリジストン美術館で買ったピカソのカードで手紙を書いてみました。どうしていらっしゃいますか、と。

 

 数日後、Mさんに出したハガキは私のポストに返ってきました。
 不思議と悲しくはありませんでした。
 私はまだMさんに「さよなら」も「お久しぶりです」も言えていません。

 


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ENJOのフェイスデュオフローブ

April 29th, 2016

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 これ以上ない洗顔を見つけました。

 それも洗剤ではなく、特殊なファイバーで出来た洗顔用のクロスです。
 ENJO(エンヨー)はオーストリアで生まれた環境保護のためのお掃除・ボディケアブランだそうです。汚れを取るとても細いファイバーから出来ているため、洗剤不要。当然環境に優しくて、何よりサステイナブルですよね。でも使い心地が良くなければ、いくら環境に優しくても続かないし、消費者として評価しづらい。
 この洗顔用のグローブ、去年近所の百貨店のキッチン売り場で期間限定で出店しているのを見て、とても欲しかったのですが高くてちょっと手が出なかったんです。アイメイクだけ落としたらあとは水を含ませたこのクロスで拭き取るだけ、メイク落としがいらなくなるから結果的には経済的なのですよという文句も、常套句かなと思っていました。そしたらまた今年来ていて、聞くと、去年買っていった方がリピーターとなってものすごく買っていかれると。もう迷いなく5000円弱、小さな洗顔用クロスを買いました。
 早速帰宅してメイクを落としてみましたら、洗い上がりが本当にしっとり。洗い残しを感じる嫌なベタつきはなく、触り心地の良いふっくらしたしっとり感に本当に驚きました。細い面でメイクがのったまま水だけで洗顔し、少し荒い面で首やデコルテを優しく撫でると本当にすべすべになる。おそらく角質が取れてすっきりするのでしょう、お顔はごわつきがなくなりパックしたてのような吸い付き。スキンケアの含みが良く、当然お化粧のノリもいいのです。鼻の角栓も小さくなっているような感じです。
 荒い面を山おりにして頭皮をマッサージすると、スカルプケアにもなるとか。男性にもお勧めです。
 いま、朝夕の洗顔が楽しくて仕方ありません。


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