暮らしの趣味」カテゴリーアーカイブ

夏場のタオル

August 1st, 2014

IMG_5925 IMG_5921  お風呂あがりにはバスタオルは使わず、バスローブとフェイスタオルを使っています。浴室から出たら濡れたからだにそのままバスローブを着ます。学生時代にフランス映画で見てから、憧れてそれ以来ずっとそうしています。初めてシャワーから出たままにバスローブをまとう時は一瞬ひるみましたが、習慣になるとむしろ快適でした。こういうのに人一倍抵抗を示す夫ですら、今では普通の顔でバスローブを使っています。

 バスローブをまとえば、濡れているのは膝から下と頭だけですから、あとはフェイスタオル1枚で足ります。バスタオルは毎日洗うと大きくて分厚くてかさばってしまい乾かしづらいし、何かちょっと苦手です。バスローブは不思議とバスタオルより不衛生になりづらい気がします。厚めのしっかりした生地をならば、着ているうちに自然に水分を吸ってくれて、身体の熱で乾いてしまうし、洗濯は冬場は1週間に1回、夏場は2,3日に1回程度でも大丈夫な感じです。確かにバスタオルよりもかさばるし、袖などは乾かしづらいのですが、バスタオルを毎日洗ったり、2日くらい放置した時に嫌な匂いになるのと比べると、週に何度かバスローブを洗っている方がマシです。タオル類は定期的に乾燥機にかけるとスッキリする気がします。日々の洗濯は主にフェイスタオルです。どんどん使えるようにたっぷり重ねて置いています。

 しかし、問題は、夏場のお風呂あがりにバスローブを着るのが暑いことです。はっきり言って苦痛です。それで最近見つけたのが、写真でバスローブの上にかかっているタオルです。綿でパイルではない織りの薄っぺらいタオルです。洗濯も楽ですし、お風呂あがりに巻いていても暑くなく、肌触りもざらざらしてて気持ちがいいです。夏の間はこれを愛用しようと思っています。これは池袋の無印良品が閉店するときに、試しに3枚買ってみたのです。大正解でした。

 最近、「大判フェイスタオル」というのを見つけました。文字通り少し大きめのフェイスタオルで、バスタオルよりも薄く小さいです。試しに2枚買ってみました。実を言うと時々1度にフェイスタオルを2枚使う時があるからです。少し大きめのフェイスタオルにしたことで、満足度が上がりました。これは楽天で買いました。安いです。タオルは消耗品ですし、買い求めやすいものが一番だと思います。が、条件も多いです。色は白、ふわふわしすぎはダメ、しっかりとしたもので、でも欧米の分厚いものだと乾かしづらい。こんな調子でぐずぐずしています。まだまだ私のタオルジャーニーは続くと思います。


***

猫たちの選択

July 16th, 2014

IMG_6255 IMG_6263  2匹の猫を飼いはじめました。オスとメスの雑種の兄妹です。カラスに追われていたところを保護された頃はまだ乳離れしていませんでした。私が哺乳瓶でミルクを与えて育てました。まだ自力で排泄もできず、補助してあげていました。

 本来なら母猫がお乳を与えて、排泄も舐めて促してあげて、排泄物も舐めとってしまいます。母猫からはぐれてしまったこの子たちの世話には手を焼きました。生後1ヶ月くらいまでは1日4回のミルクと排泄。しかもこちらの都合通りに食べてくれない、排泄してくれないこともしばしばで、こっちがげっそりするほどでした。しばらくすると、1日3回に分けてミルクや水でふやかしたドライフードに美味しいウエットフードを混ぜて与えました。仔猫のうちは一度にたくさん食べられないので数回に分けるわけです。この時ばかりは子どものいる友だちを尊敬しました。

 今は4ヶ月となり、1日2回ふやかさないドライフードに、ウエットフードを大さじ1杯ほど混ぜて与えています。よく食べてくれるようになったので安心してみています。ここまで来るのも研究でした。初めて猫を飼ったものですから、猫の気持ちがわかりません。昨日まで食べていた餌なのに突然プイっと食べてくれなくなることが続き、あらゆる餌を買い集めて試したりしました。今は、ドライフードはHILLS社の「SCIENCE DIET(サイエンスダイエット)」、ウェットフードはユニ・チャーム製のものに落ち着いています。

 うちの場合、特にメスがファシーです。彼女の場合、「これ飽きた」「このメーカーじゃなきゃ嫌」「(寝ているオス猫に)そこどいて」「なんか嫌」「(寝ているオス猫に)今日は一緒に寝たい」「(寝ているオス猫に)ねえ起きて」「(わたしに)ねえ少し甘えたい」「ちょっとこのままでいさせて」「まだ寝たくない」「この砂が嫌」「ここでトイレしたくない」「トイレが嫌だからベッドでしたから」となります。

 彼女が急にトイレ以外のところで用を足すようになってしまったのは、こちらの気持ちと財布を消耗させました。これが有名な猫の粗相問題でした。猫が粗相をする原因はいくつか知られています。「腎臓・膀胱・尿路系の疾患」「ストレス」「トイレが気に入らない」「発情時のマーキング」などです。仔猫なので発情はまだです。まず病院に連行し病気の線を消しました。すると残りはストレスかトイレでした。「チュー」と呼んでいるネズミのおもちゃで遊んであげ、なでなでしてあげて、たっぷりと愛をそそぎ、幾つものトイレと猫砂を買い求めました。一番多い時でリビングに5つものトイレを置きました。

 「EVER CLEAN(エバークリーン)」だけは最終手段だなと思っていました。値段が高いし重い飛び散りやすく扱いづらいからです。ただこれは人の都合であって、猫への評価は抜群でした。この砂に変えて粗相が止まった猫がたくさんいるということです。彼女の粗相が始まって2週間ほど彼女の挙動を始終監視し、ちょっとでも床の匂いをくんくん嗅ぎ出してぐずぐずしようものなら、そしてその長い尾っぽをピンと立てようものなら(尻尾の長い猫は排泄をするとき尻尾が汚れないようにピンと立てるのです)すぐに彼女を抱えてトイレの砂の上に置く、嫌がって逃げる、置く、嫌がって逃げるの繰り返し。その果て目を離した隙に「トイレ以外のどこか」で、しているのを発見して、臭い消しセットを抱えて拭き掃除と洗濯。こんなことは長く続けてはお互いのためにならないと思い、ついに既に発注して納戸に入れていたエバークリーンに手をかけました。

 簡単な話でした。彼女の粗相はピタリと止まりました。それどころか、トイレが大好きになり、トイレの回数が増えました。用もないのに入っていることもあります。初めてこの砂の上に彼女をそっと置いた時に、もう今までと違いました。それまでの砂に置くと嫌がってトイレのフチをカリカリ掻いて逃げていましたが、エバークリーンに載せた瞬間、好奇心で目がまんまるになり、初回は15分ほど入っていました。そしてそこでそっと、おしっこをしたのです。オスの方はそもそも、のほほんとした性格でどんなトイレでも「その時々でどこでも近いところでオッケー」な人だったのですが、エバークリーンへの執着には尋常じゃないものがあります。初回は30分も入っていました。今でも本当にしょっちゅうトイレに入っています。ちなみにそれまでは、主におからの砂を使っていました。

 エバークリーンの砂は細かく、猫がトイレから飛び出すときに砂が床に飛び散ってしまいます。それで見つけたのがこの「CleverCat(クレバーキャット)」というトイレです。箱型になっていて蓋に穴が空いているというものです。「ペットプロダクツトニュース 最優秀賞受賞」「キャットファンシー 最優秀賞受賞」「ペットエイジ グランプリ受賞」など、数々の権威ある賞を受賞しているアメリカ製のプロダクトです。クレバーキャットにエバークリーンを入れて使うと、排泄物の臭いが全くしません。猫も満足、わたしも満足です。エバークリーンを置いてから他のトイレは一切使われなくなりました。このトイレを2台置いて、あとのトイレは全て撤去しました。

 猫たちにも選択する意思があるんです。この穏やかで狂おしく愛おしい日々がいつまでも続くことを祈って。


***

ダボジの茶筒

May 29th, 2014

IMG_1797 IMG_1815  「ダボジ」というのは、父の祖父の渾名です。父が結婚する頃には死んでいたので、母もダボジを知りません。

 父の父は昭和ヒト桁生まれで兄もいたはずなので、ダボジは恐らく明治生まれの人でしょう。私も遺影でしかダボジを知りません。禿頭で、いつも絵に描いたようにカッカしていたそうです。遺影で見ると荒木経惟さんに少し似ています。特に荒木さんが描くアラーキーの似顔絵に似ています。母が結婚前に父の実家に遊びに来た時、ダボジは既に死んでいましたが、家族がおじいちゃんのことを「ダボジ」なんていうふうに渾名で呼んでいるのを聞いて、育った環境での習わしの違いを感じながらも、ダボジに親しみやすさを感じたそうです。

 先日帰省したときに、むかし実家で使っていた茶筒を貰ってきました。真っ黒になっていましたが、子どもの頃から見ていましたし愛着もあったので喜んで貰い受けてきました。おばあちゃんがお嫁に来た時には既にあったというので、恐らくダボジのか、それ以前のものなのではないかとのことでした。

 クリームクレンザーとクエン酸を混ぜて磨くといいとおばあちゃんに教えてもらい、その通りにしたら、見事な金魚が出てきました。金魚を見つめながら、大正時代、昭和初期、戦時中、戦後、高度経済成長、バブル、平成とおよそ100年も家族が使い続けてその家族が続いてゆくということを呆然と考えました。骨董屋さんで古いものを買って使う、というのとはまた違う特別感があります。

 恐らく地元燕三条の職人が作った品でしょう。蓋は、ただ載せただけで、自分の重みでするすると滑らかに落ちてぴたりと着地したとき、密閉されます。


***

竹の繊細なカトラリー

May 17th, 2014

IMG_2644  沖原沙耶さんという方がつくる繊細な竹のカトラリーに一目惚れしました。

 先日、祖師谷にあるごはん屋ヒバリさんで個展をやっていたので、小田急の各停に乗り出向き、セイコさんの美味しいピビンバを食べて、お箸とスプーンと調理用のへらを買ってきました。桜が終わったあとの、あたたかい日差しがぎこちない若い春の日でした。窓を開け放してあって風がすーっと通っていました。細長いテーブルに細く細く削りだされたお箸が並んでいるのも目に涼しく、とても気持ちが良かった。BGMもなく、風の音、食器が触れ合う音と水仕事の音だけです。

 特筆すべきは調理用のへらです。ほぼ柄が伸びたような細長い形が珍しく、これがとても使いやすいのです。鍋や具に対してへらが大きすぎて混ぜにくい時があります。チャーハンやみじん切りの具なんかには、大きめでもいいかなと思いますが、これくらいコンパクトになっていると、具と具の間を気持ちよく滑り、一口大の根菜など特に混ぜやすいです。2本あったものが、私が初日に買い、もう一つもすぐに売り切れてしまったそうです。

 箸は、多少重みがあったほうが安定すると思います。その点このお箸は少し軽いので手の中で踊るような感じはあります。しかし、「掴み」は非常に良いです。掴んだものを全く離しません。そして当然、口当たりがいいです。細い箸や、リンと鳴るほど薄い磁器、うすはり、など軽い口当たりの食器が大好きです。もちろん、土のあたたかみを感じながらお茶を飲みたい時もありますので、単に気分屋なのですが。

 木のカトラリーは、たまにオリーブオイルをすり込んでメンテナンスしています。オイルを少し含ませた古布で拭った瞬間、活き活きとしたような、艶っぽいような、表情になります。表現が適切かわかりませんが、全て塗り終えてひとところに収まったカトラリーたちには、セクシーな感じがあります。先日九州の母の実家を訪れた時、祖母が骨董の古い漆器に長崎の椿油を塗っていました。その時も一瞬で表情が変わり、当時の婀娜が吹き込まれ、物語が浮きあがってきました。


***

ピカソ美術館のクッションカヴァ

April 23rd, 2014

IMG_1420  新婚旅行で行ったバルセロナのピカソ美術館でこのクッションカヴァを買ってこなかったことをとても悔やんでいました。ドラ·マールの肖像1を刺繍しているものです。コンランショップがセレクトしていることは知っていました。新宿のコンランにすら、昔売っていましたから。その時は欲しいと思いながら特に買うまでには至らなかったのですが、バルセロナから帰って来た途端、なんで美術館で買ってこなかったんだろうと後悔していました。調べてみると、ピカソ美術館から買うことは出来ないが、ロンドンのコンラン経由で買うことは出来そうです。そうなった途端、コンランで買うことは「違う」と思ってしまいます。正しい縁がなかったと落ち込んでいました。

 すると1ヶ月程たった頃、妹の友だちがバルセロナへ行くことになったことを聞きました。流れに任せて、「もしピカソ美術館へ行くなら買ってきて欲しい」と頼み込みました。数週間後、小包が届き無事に私のものになりました。

 一度は縁がなかったと諦めていたうえに、すぐにバルセロナへ行く人を見つけ、郵送されてきたという流れの良さにとても満足しています。自分でバルセロナで買うよりも、より、思い入れが強くなりました。何事も滞りの無い、水のような流れの早さが、何よりも一番「確か」です。


***